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シルクを紡ぐ~カイコの生態と飼育方法 かつての日本の主産業【養蚕】を支えたお蚕様

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シルクを紡ぐ~カイコの生態と飼育方法 かつての日本の主産業【養蚕】を支えたお蚕様

かつての日本の輸出の主産業であり、明治時代の「富国強兵」を支えた養蚕業。艶やかで滑らかな絹糸の原料は、カイコガの繭。古代中国で発祥したと言われる養蚕技術は、日本には弥生時代に伝わったと考えられています。江戸時代に幕府に奨励され、技術の質も上がり、輸出の主産業になりました。明治以降の皇后は養蚕を行い、現代までその伝統は受け継がれています。養蚕業が盛んだった地域は、群馬県、長野県、八王子市、京都府、山形県など、日本各地にありました。そんな日本にとって、縁深い「カイコ(蚕)」の紹介です。

 

カイコの生態

カイコの生態:
カイコは自然界にはおらず(祖先?はクワゴとも言われています)人間の手がないと生きていけません。カイコのメスは500個程の卵を産みます。卵は、2週間程でふ化。人工飼料や桑の葉をエサに、幼虫は脱皮を繰り返し25日程で蛹になるための繭を作り、蛹は12~14日程で羽化します。羽化した成虫は、交尾をすると、卵を産み、10日以内くらいで死んでしまいます。桑の葉がとれる5月~9月頃が養蚕の適期です。

体長:
成虫は4cm程でメスの方が大きい
3mm程の卵から、終齢の5令幼虫は7cm程になる。

↑桑の葉っぱと実

 

カイコの飼育方法

最近では、小学校の授業でカイコの飼育をするところもありますね。カイコは昆虫飼育用のプラケースなどに、新鮮な桑の葉をきらさないであげれば飼育することができます。幼虫期間は約25日、蛹期間は12~14日程で成虫が羽化します。繭の色は品種などによって、白だったり、薄黄色だったり、いろいろです。飼育時の温度は25℃~30℃程が適しています。

 

繭の精製方法

カイコの繭が、どのように絹になるのか?1つの繭でとれる糸の長さは1300~1500m程(2g程)です。

1.繭の選別と乾燥

2.繭を煮る
煮ることで、糸をほぐす。沸騰しない程度に。

3.操糸
ほぐれやすくなった糸の、糸口を探し、まとめ、糸にします。

4.揚返し
引っ張られた糸を、元の状態にもどす。

 

養蚕業の現状

かつて1900年~1935年頃には世界一の絹糸輸出国だったこともある日本ですが、絹に代わるナイロン繊維の開発や担い手不足などで、需要も生産も減少しています。1980年頃には15000軒あったと言われる養蚕農家も2016年には350軒程にまで減少。長きにわたり伝承されてきた高い技術を、これからも継承・発展させていってほしいですね。

 

 

艶やかな絹糸の原料は、なんとモスラのようなカイコの繭!
日本のお家芸として、これからも養蚕業の発展を祈りたいですね。
絹製品はパジャマとして愛用していた時期がありますし、好きです。

 

 

 

 

 

 

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