日本的な美しさ!アカアシクワガタの生態・採集方法・飼い方
ヒメオオクワガタと同じような環境にいることが多い
山地性のクワガタ、アカアシクワガタ。
黒い光沢のある体に赤い脚が特徴の、日本的な美を感じるクワガタです。
個体数は比較的に多く、生息地に行けば見つかる可能性は高いです。
アカアシクワガタの生態
体長:
♂28mm~58mm程
オスで50mmを越える個体は珍しいですが、大型のオスは特に格好良いです。
♀29mm~38mm程
♂♀共に脚が赤いという特徴があり、誰でも簡単に特定することができます。
生態:
昼行性、夜行性の性質を併せ持つ。高標高地では気温の関係で昼行性が強まるようだ。本州では標高400m以上の場所に生息することが多く、ミズナラ、ヤナギ、ハンノキ、クヌギなどの広葉樹の樹液に集まる。高標高地域ではブナ林のヤナギの木などに自分で傷をつけ、出た樹液を吸う。個体数のピークは6月下旬~8月頃。幼虫はブナやミズナラといった広葉樹の比較的柔らかく朽ちた倒木の底部や根部に見られ、蛹は朽ち木内に作る。混棲しているヒメオオクワガタと比べると、アカアシクワガタの幼虫は朽ち木が柔らかく、水分を含んだところを好む傾向がある。
分布:
北海道・本州・四国・九州・対馬
寿命:
野外活動をした成虫は、その夏~秋にかけて死んでしまう。
飼育下では数年生きることもある。
アカアシクワガタの主な採集(観察)方法
・6月~9月に夜間の樹液採集。および日中にブナ林のヤナギの木などをルッキング採集。昼行性かつ夜行性も示す種で、地域や環境・気温などによって活動形態は異なる。
・6月~9月に生息地の木をキック等して、振動で落ちてくるアカアシクワガタを拾う採集方法。アカアシクワガタは振動で、よく落ちてくる種類の1つです。
・6月~9月初旬に夜間、灯りに飛んできたものを拾う灯火採集やライトトラップ。灯火採集は19時~22時の間に飛来することが多いです。灯火採集ではメスが飛来することが多い。アカアシクワガタは飛翔性が高く、灯りに飛んでくる習性が強いです。生息地での灯火採集は非常に楽かつ、確実な観察方法です。
アカアシクワガタの飼い方
クワガタは飼育用品も豊富。
ここでは簡単なアカアシクワガタの飼い方をご紹介します。
1ペアを飼うのを想定して
(クワガタは基本的に1つのケース1ペアで飼います。狭い空間でそれ以上飼育すると、ケンカして弱ってしまうのでおすすめできません。アカアシクワガタの場合1♂2~3♀くらいでも大丈夫です)
必要なもの
・小~中ケース程のケース(横300×奥行195×高さ205ミリ)
・広葉樹のマット3cm~15cm程
・エサ(ドルクスゼリーなどのゼリータイプが使い勝手が良いです)
・棲家となるような木
・霧吹き(水分補給などに)
これくらいでしょうか。
本州での飼育下では、4~11月の活動期には2~7日に1度ゼリーを交換してあげたり、霧吹きをしたり、排泄物の掃除をしたりと
そこまで手はかからないのではないかと思います。
本州では400m~1500m程の高標高に生息しているクワガタのため
ヒメオオクワガタ程ではないですが
温度に気をつけてあげると良いです。
暑くても28℃以下に保てるようにしてあげたいところです。
マットは適切な水分保持の役目があり
ちょっと水分を含むくらいにしておきます。(水分が多過ぎてもだめです)
産卵させる場合
アカアシクワガタは産卵させることができます。
適切な温度管理の問題でコクワガタなどよりは難しいかもしれません。
シイタケのホダ木によく産卵します。樹種もコナラでもクヌギでもOK。
産卵木の樹皮はとっておいた方が良いです。
産卵させる際には、産卵期間中、自然下と同様に温度を20~25℃の間に調節した方がうまくいます。
産卵の手順として
1.ペアリング。5~8月に羽化後2~3カ月以上たったオスとメスを2~3週間一緒のケースで飼う。(羽化後、間もないと体が成熟しておらず、産卵しない。野生で採集したメスは交尾済みのことも多い)
2.産卵木となるホダ木を入れて(ペアリングする時から入れていてもOK)マットに3分の2程埋めます。マットの厚さは8cm以上ある方が望ましい。
*ホダ木は1~2時間程水につけて数時間~半日程陰干しして適度に乾かしたものを使います。水分を含み過ぎていても、乾燥し過ぎているのもよくない
3.メスはやがて産卵木に穴を空けたりして、産卵に入ります。
(卵は10~30個程産むことが多いです)
4.産卵木をセットしてから(産卵してから)1ヵ月半~2ヵ月半程したら産卵木に幼虫がいるはずなので、産卵木をドライバーなどで割って、幼虫を取り出し、幼虫飼育用の容器に入れます。
*産卵木をセットしてから1ヵ月~1ヵ月半程したら産卵木を取り出し、取り出した産卵木を広葉樹のマットなどにうめこみ1ヵ月程経ったら割り出す方法もオススメです
5.幼虫飼育は、菌糸瓶飼育、マット飼育、材飼育など、いくつかの方法があります。概ね800cc程の容量があり、蛹を作るスペースが充分にあるビンやケースなどの容器で飼育します。幼虫は多くは1~2年で蛹になり、羽化します。
今回はアカアシクワガタの生態と飼い方の紹介でした。
独特の魅力があるアカアシクワガタ!
ハイキングに出かけたら、探してみると面白いかも!?
実は一番確実な観察方法は、夜間、生息地で煌々と光る自販機やコンビニ前を探すことです。