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クワガタ 昆虫

黒いダイヤ!オオクワガタの生態・採集(観察)方法・飼育方法を紹介

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黒いダイヤ!オオクワガタの生態と飼い方

目次

オオクワガタについて

日本のクワガタの王様的な存在で、人気もナンバー1!
重厚なフォルムに黒光りする体
野外では幻のクワガタといわれる程レアですが、日本全域に生息しています。

体長♂28~77mm程 ♀26~50mm程
オス

メス

分布:本州・四国・九州・対馬・北海道にも記録あり。

オオクワガタ販売価格の変遷

その魅力的な造形からペットとしても大人気となったオオクワガタ
主に野外(野生)で採集されたものが主体だった1980年代~1990年代前半では
オスの70mm以上の個体は珍しく10万円以上~時に100万円以上の値がつきました。
(それにより朽木の破壊や、生きた木を傷つけるなどのマナー違反も多くなってしまいましたが)
正に黒いダイヤ

新宿・伊勢丹のクワガタ売り場でも高値で売られていました。
2000年代以降はインターネットの発達や累代飼育方法の確立と情報の拡散、菌糸瓶などの飼育方法の発展で大型個体を育てることも容易になり、値段は落ち着きました。
2019年現在ではペアで2000~3000円からと
安価になり、手の届きやすい価格になっています。
今尚、子どもから大人まで、多くの人を魅了しています。

オオクワガタの生態

成虫は5~9月頃に活動。
広葉樹などの樹液に集まる。樹洞に潜んでいることが多い。
穏やか・臆病な性格で音や光に敏感に反応する。
長命で野外でも数年、飼育下では6年以上生きた記録がある。
幼虫は広葉樹がカワラ茸などの木材腐朽菌で白腐れした立ち枯れや倒木に多くみられる。
新成虫が朽ち木を飛び出し、棲家を探す期間は5月半ば~6月半ばくらいと考えられている。
意外に環境への適応範囲は広く、雑木林から原生林まで生息している。
産地としてはかつて(?)3大産地といわれた
山梨県韮崎市周辺、大阪府能勢地方、福岡県筑後川流域が有名
新興の産地として福島県桧枝岐村周辺や山形県の原生林での灯火採集やライトトラップで(光に集まる習性を利用する採集方法)好条件が揃えば比較的に高確率で採集できるともいわれている。
(*2019年現在、桧枝岐村は条例で無断での灯火採集は禁止です)
多産地の山梨県では、かつては稲作用の田んぼの肥料としてクヌギの若枝を刈敷として利用したものが、年月を経てオオクワガタにとって格好の棲家となる台場クヌギとなった。しかし田んぼ作業の機械化や肥料の進化によって刈敷をすることもなくなり、今後台場クヌギが増えることはないと思われる。

いつか、野生のオオクワガタを採集したいものですね!

オオクワガタの主な採集(観察)方法

・5月中旬~9月初旬に夜間の樹液採集。オオクワガタは樹洞など、決まった棲家に定住することが多く、他の昆虫が少ない日没直後や深夜1~2時頃に活動することが多い。棲家が決まっていることが多いため、日中でも探すことは可能。棲家を探して活動しはじめる5月下旬~6月中旬頃は比較的に発見しやすい。

・6月~9月初旬に夜間、灯りに飛んできたものを拾う灯火採集やライトトラップ。灯火採集は19時~22時の間に飛来することが多いです。

↑幹の太い台場クヌギ

オオクワガタの飼い方

オオクワガタはペットとしての人気が高く
飼育用品も豊富。
ここでは簡単な飼い方をご紹介します。

1ペアを飼うのを想定して
(クワガタは基本的に1つのケース1ペアで飼います。狭い空間でそれ以上飼育すると、ケンカして弱ってしまうのでおすすめできません。)

必要なものは
・中ケース以上のケース横300×奥195×高205ミリ)
・マット3cm~10cm程(広葉樹でも針葉樹でもなんでもOK)
・エサ(ドルクスゼリーなどのゼリータイプが使い勝手が良いです)
・棲家となるような木
・霧吹き(水分補給などに)

これくらいでしょうか。
飼育下で5~10月の活動期には2~5日に1度ゼリーをあげたり
霧吹きをしたり、排泄物の掃除をしたりと
そこまで手はかからないのではないかと思います。
時にコバエなどが発生することがありますが
最近はそれに対応した発生し辛いケースやマットもあります。
マットは適切な水分保持の役目があり
ちょっと水分を含むくらいにしておきます。(水分が多過ぎてもだめです)
10月以降は外気と気温がそう変わらない場所にケースをおき
冬眠させます。
冬眠させる際には、マットの厚みが多少あった方が良い気がします。

産卵させる場合

オオクワガタは比較的に容易に産卵させることができます。
自然下では木材腐朽菌がまわった朽ち木を好むオオクワガタですが
飼育下では
シイタケのホダ木にもよく産卵します。樹種もコナラでもクヌギでもOK
直径10cm長さ15cm程のシイタケのホダ木を2~3本入れます。

産卵の手順として
1.ペアリング。5~9月に羽化後5~6ヵ月以上たったオスとメスを2~3週間一緒のケースで飼う。(羽化後、間もないと体が成熟しておらず、産卵しない)

2.産卵木となるホダ木を入れ、マットに3分の1~半分程埋め込みます。(ペアリングする時から入れていてもOK)
*ホダ木は1~2時間水につけて数時間~半日程陰干しして適度に乾かしたものを使います。水分を含み過ぎていても、乾燥し過ぎているのもよくない

3.メスはやがて産卵木にガリガリ穴を空けたりして、産卵に入ります。
(卵は10~30個程産むことが多いです)

4.産卵木をセットしてから(産卵してから)1ヵ月半~2ヵ月半程したら産卵木に幼虫がいるはずなので、産卵木をドライバーなどで割って、幼虫を取り出し、幼虫飼育用の容器に入れます。
*産卵木をセットしてから1ヵ月~1ヵ月半程したら産卵木を取り出し、取り出した産卵木を広葉樹のマットなどにうめこみ1ヵ月程経ったら割り出す方法もオススメです

幼虫飼育は、菌糸瓶飼育、マット飼育、材飼育など、いくつかの方法があります。概ね1.5L程の容量があり、蛹を作るスペースが充分にある容器で飼育します。幼虫は多くは1~2年で蛹になり、羽化します。

*自然界と違い狭いケースの中では、産卵期はメスが強暴になりオスを殺してしまったり、逆にオスがメスを噛み殺してしまうということもそれなりの頻度であるので、ペアリング期間以外では個別に飼育した方が安全という意見もあります。個別飼育する場合は小ケースくらいでも大丈夫です。

〇参考文献

『米が育てたオオクワガタ』(2006.7月 著者:山口 進)
『知られざるオオクワガタ』(2018? 著者:齋藤 洋介)


 

今回は黒いダイヤ!オオクワガタの生態と飼い方の紹介でした。
幻のクワガタ:オオクワガタ
子ども時代に憧れた方も大勢いらっしゃるのではないでしょうか。
今ではペットとしても親しまれています。

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