樹液酒場の王者カブトムシ
子ども達の人気者!昆虫の王者カブトムシ。
夏の雑木林は、カブトムシやクワガタを探す親子連れの姿がありますね。
樹液酒場強さランキング王者
カブトムシは夜の樹液酒場、占有強さランキングの王者といっていいと思います。強力な脚力と、相手を下から大角ですくい上げてのすくい投げで相手を投げ飛ばします。大角と小角ではさんでの投げも得意です。カブトムシの角は皮膚が進化したものです。
大型のオオクワガタ、ヒラタクワガタ、ノコギリクワガタならカブトムシ相手でも良い勝負ができる可能性はありますが、総合的に見るとカブトムシが樹液酒場のチャンピオンです。
脚の力も強く、強力な爪で樹をホールドします。実験では、自分の体重の15~20倍の重さのものを引くことができる力持ち!
カブトムシの生態
体長:
♂35~85mm程(角含む)
♀35~50mm程
生態:
成虫はその年の気温にもよるが6月頃から出現し、夕暮れから早朝にかけてクヌギ、シラカシ、コナラ、ヤナギなどの広葉樹の樹液に集まる。8月半ばからメスは樹液場に姿を見せなくなり、8月中旬、おぼんを過ぎたあたりから個体数は減り、9月以降は激減するが、10月に入ってからも観察例はある。個体数のピークは7月~8月初旬。昼は木の根元などに潜んでいることが多い。夜行性だが、明るい時間帯にも活動する個体もおり、都会ではカラスなど鳥のエサとなることもしばしば。近年では温暖化の影響か、本州では標高1000m程の場所でも見られることがある。
メスは雑木林の腐葉土などに産卵し、卵は晩夏に孵化する。幼虫は翌年の5~6月には土中で蛹となり、羽化後1~2週間で成虫は野外へ出て活動する。
分布:
本州・四国・九州・沖縄。北海道には生息していなかったが、戦後にペットが逃げだしたりしたものが野生化したと言われている。
成虫の寿命:
野外(野生)では数カ月、長くて10月まで。
飼育下ではその年の12月以降も生きたという記録もあります。(最長翌年の2月頃まで?)
カブトムシの主な採集(観察)方法
・6月~8月の夜間に樹液採集。カブトムシは早朝や日中も樹液場に姿を見せる個体もいます。
・6月~8月、灯りに飛んでくるのを拾う灯火採集。灯火に飛んでくるのはメスが多いです。
カブトムシの飼い方
カブトムシは比較的に簡単に飼うことができます。
ここでは簡単な飼い方をご紹介します。
1ペアを飼うのを想定して
(カブトムシは基本的に1つのケース1ペアで飼います。狭い空間で♂を2匹以上飼うと、ケンカして弱ってしまうのでおすすめできません。)
必要なものは
・中ケース程のケース(横300×奥195×高205ミリ)
・広葉樹のマットや腐葉土3cm~15cm程
・エサ(ドルクスゼリーなどのゼリータイプが使い勝手が良いです)
・棲家となるような木など
・霧吹き(水分補給などに)
本州での飼育下では6~10月の活動期には2~5日に1度ゼリーをあげたり
霧吹きをしたり、排泄物の掃除をしたりをします。
クワガタに比べて体格の大きいカブトムシは大食いなので
清潔にするには、掃除をある程度の頻度でしてあげると良いです。
マットは適切な水分保持の役目があり
ちょっと水分を含むくらいにしておきます。(水分が多過ぎてもだめです)
飼育下では野生より長生きするため、10月以降も生きることがあります。
産卵させる場合
カブトムシは産卵させることが容易です
自然下では雑木林の腐葉土などに産卵します。
飼育下では、腐葉土やカブトムシ用のマットに産卵します。
産卵の手順として
カブトムシはマットに産卵するタイプのため
マットや腐葉土を少し厚め(8cm以上)にしいておきます。
1.ペアリング。オスとメスを2~3週間一緒のケースで飼う。成虫は羽化して、後食後(食事をとりはじめてから)1~2週間で成熟すると考えられています。(野外でつかまえたメスは交尾済みのことも多い)
2.メスはやがて、マットに産卵します。産卵数はクワガタの平均よりやや多く、30個以上産むことも多い。
3.卵や幼虫を確認したら、幼虫を1匹ずつ幼虫成育用の容器に移します。
4.幼虫飼育は、マット飼育です。概ね1.5L程の容量があり、蛹を作るスペースが充分にある容器で飼育します。幼虫は翌年の5~6月頃に蛹になり、羽化します。
昆虫の王者カブトムシ。
夏の風物詩として雑木林に君臨しています。