緩やかな清流に住む~メダカの生態・採集(観察)方法・飼育方法を紹介
昔は全国各地の水田の水路や小川に多数生息していたメダカですが、2003年には環境省レッドデータブック絶滅危惧種Ⅱ類(絶滅の危険が増大している種)に登録される程その数は減っています。しかし、日本在来種であるメダカはその丈夫さから、アクアリウムやビオトープ、アクアテラリウムを通して愛好される方も増え、人気となっています。蚊の幼虫ボウフラを好んで食べることもポイントです。また、主に鑑賞目的として様々な色のメダカが誕生し、流通しています。
メダカの生態
メダカは流れがゆるやかで水のきれいな浅瀬を好みます。そのような小川や池、沼、湖、用水路、田んぼなどに住んでいます。ボウフラといった昆虫やミジンコなどの微生物を食べ、太陽がある時に活動し、夜は眠ります。水温が5度以下になると水底でじっと動かず、冬眠します。野生のメダカはクロメダカと呼ばれ、体長3~4cmです。主に5月~9月、オスとメスが交尾をすると、メスは水草などに卵を産みつけ、卵は10日~14日程で孵化。孵化したメダカは3カ月程で大人のメダカに成長します。
オスとメスの見分け方:
オスの背ビレと尻ビレはメスより大きく、ギザギザ(切れ込みがある)です。尻ビレが平行四辺形のような形。
メスの背ビレと尻ビレは、ギザギザはなく、まるみがあります。
(左がオス、右がメス)
(上がオス、下がメス)
分布:
本州、四国、九州など
寿命:
野生での寿命は1~2年、飼育下だと4年以上生きた例もあります。
品種改良された様々なメダカ
野生のクロメダカを元に、突然変異したものや、作り出したい性質に近いメダカを掛け合わせることで、2019年現在様々なメダカが誕生しています。有名なのは楊貴妃メダカ、青メダカ、白メダカなどです。
青ヒカリメダカ
白ヒカリメダカ
楊貴妃メダカ
クロメダカ
メダカの主な採集(観察)方法
4月~10月の日中、ゆるやかな流れの小川などへ探しに行きましょう。メダカは浅瀬を好みます。事前に情報収集して、場所の目星をつけておくと良いでしょう。網で下からすくったり、追い込んだ先に網を用意したりして捕まえます。
メダカの飼育方法
メダカは屋内でも屋外でも飼うことができます。
〇屋内の場合
必要なもの
・水槽やケース・・・概ね15L以上のもの(目安は1Lに1匹)
・カルキ抜き
・水草
・メダカのエサ
・底砂利など
底に水洗いした砂利やソイルを2~4cm程ひき、カルキ抜きした水を入れ、水草を入れます。そこに、水合わせを30分~1時間程したメダカを放します。エサは、1日1回食べきれる量をあげるくらいで十分です。あまりあげすぎると、水が汚れやすくなってしまいます。水草を入れてあげると、そこに産卵します。
〇屋外の場合
必要なもの
・睡蓮鉢や発泡スチロールケース・・・概ね15L以上のもの(目安は1Lに1匹)
・カルキ抜き
・水草
・メダカのエサ
・底砂利など
底に水洗いした砂利やソイルを2~4cm程ひき、カルキ抜きした水を入れ、水草を入れます。そこに、水合わせを30分~1時間程したメダカを放します。エサは、1日1回食べきれる量をあげるくらいで十分です。あまりあげすぎると、水が汚れやすくなってしまいます。屋外の場合は自然に微生物が発生しやすいため、最初の2週間~1カ月以降はあまりエサをあげなくても大丈夫なことが多いです。水草を入れてあげると、そこに産卵します。メダカが雨などの増水時に流されてしまわないように、水抜きの穴を空けて、スポンジなどでふさいであげると安心です。
★屋内・屋外共通おすすめ水草
〇定番
・マツモ(丈夫・越冬可能)
・アナカリス(丈夫・越冬可能)
・アマゾンフロッグビット(丈夫・条件が揃えば越冬可能)
・ホテイアオイ
・ウィローモス(丈夫・越冬可能)
〇好みに合わせて
・ラージパールグラス(越冬可能)
・ウォーターコイン(ウォーターマッシュルーム)(越冬可能)
・ウォータークローバー(越冬可能)
・ロタラ系の水草(越冬可能)
etc…
童謡『メダカの学校』などでも有名なメダカ。
その丈夫さと手軽さから、近年愛好者が増えて人気となっていますね。
メダカのいる生活は、何だか心が安らぎます。
個人的には手間のあまりかからない屋外飼育の方をオススメします。