古来から親しまれる~金魚の生態・飼育方法を紹介
日本人は遠い昔からペット、鑑賞用として魚を飼う習慣がありました。日本人の遺伝子に組み込まれていると言ってもいいくらいで、長い歴史の中で観賞魚は大変愛されてきました。特にメダカ、鯉、そして金魚が日本人の好みに合った魚として好かれてきました。今でも金魚は人気のある鑑賞魚、ペットでたくさんの種類が生まれています。縁日の「金魚すくい」は子どもから大人まで親しまれていますね。その魅力と生態、飼育方法をぜひともチェックしてみましょう。
金魚の生態
日本古来の魚として金魚は、ずっと日本人の生活の中でポピュラーな存在でした。江戸時代には本格的な養殖が始まり、鑑賞用として飼育するのは普通の光景だったのです。その後、いわゆるペットとしても見られるようになり、単に鑑賞するだけでなく、犬や猫のように愛玩用として家庭でも飼われるようになっていきます。
このように日本で愛された金魚はかなりたくさんの種類が作られていて、すばらしい色合いの種類がたくさんいます。たとえば「和金」はその名の通り、ゴージャスな黄金色で存在感があります。対照的なのは「地金」で清楚な美しさが魅力の金魚のシンボル的な存在です。純白と朱色の美しさが際立つ品種で、日本的な良さがあります。他にも真っ黒な体色を持つ「黒らんちゅう」やユニークな柄を持つ「パンダ蝶尾」などもいます。それぞれに特有の美しさがありますが、金魚独特の可憐な雰囲気が共通してあります。
金魚は環境の変化、特に水質には敏感です。化学物質に弱い特徴があって、水道水をそのまま使うと、残っている塩素のために衰弱したり大量死したりしてしまうこともあるほどです。そのため、自宅で飼う場合は、カルキ抜き薬を使ったり、水道水を一日以上放置してから水槽に入れるなどの配慮が必要な品種もあります。さらに、光や音などにも敏感な傾向があって、警戒心が強いのも特徴です。子どもが水槽をいつも叩くとストレスを感じたり、人間が近づくと逃げてしまったりすることもあります。群れで集団生活を送ることもできますが、水槽の水の中の酸素が薄くなることもありますので、あまり多数をまとめて飼わない方が良いでしょう。
また、光が当たるところが好きというのも特徴です。より元気になって病気にもなりにくいので、金魚は明るいところで飼った方がいいとされています。室内で水槽飼いをする時も、ある程度光が当たる場所に置くなどして、十分な光をいつでも浴びられるようにしてあげるのがポイントです。光を十分に浴びている金魚は、体の色合いも良くなって鮮やかな美しさを持つようになります。健康な証拠でもありますので、体色の様子にも気を使って環境を整えてあげるようにしましょう。
金魚は体が小さく天敵に襲われやすいため、危険を感じると物陰に隠れる習性があります。そのため、水槽の中には水草などの隠れられる場所を作ってあげることが肝心です。また、川底に隠れることも多いので、水槽の下にはちょっと小さめの砂利を敷いてあげると良いでしょう。この場合は、体が傷ついたりウロコがはがれたりしないように、できるだけ丸い石を敷いてあげるのがポイントです。金魚は種類にもよりますが、寿命も長く10~15年程も生きます。
金魚の飼い方
前にも少し触れていますが、金魚を飼う際にとても大事なのは水の管理です。家で飼う場合は、水道水を使うことがほとんどですが、必ずカルキ抜きしてから入れ替えるようにしましょう。特に作業として複雑なことはなく、水道水を汲んで一日以上置いておけば大丈夫です。こうすることで、自然と塩素が抜けていきますし、水温も自然になってきます。カルキ抜き薬を使えば水道水もすぐ使えます。もちろん、井戸水やきれいな川の水を使うことができれば言うことはありません。水によって元気度がかなり変わってきますので、気を配りたいところです。
金魚を飼っていくために大事なもう一つの点は、水温はできるだけ一定に保つということです。金魚は耐性が強いのでちょっと冷たい水でも生きていられます。しかし、急激な温度変化には弱い傾向があります。また、温度が下がると動きがかなり落ちてしまいます。15度から28度くらいが元気に過ごす理想の温度です。冬の時期に水温が下がるようであれば、水温を見ながら熱帯魚用の水槽ヒーターを使って飼育するとベストです。
金魚はかなり雑食の傾向が強いので、多くの魚が食べるものはほとんど食べます。ただ、管理が難しくなることもありますので、市販されている金魚用のエサを使うのが便利で簡単です。習性上、金魚は自分よりも目線が上のものを食べます。そのため、軽くて、できれば水面に浮くくらいの顆粒状のエサがベストです。数分ですべて食べきれるくらいの量を与えます。上手にエサやりができると、飼い主になついて寄ってくるようになりますので、かわいさも倍増です。