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ぼんやりとした姿が愛くるしい~ミドリガメ(ミシシッピアカミミガメ)の生態・飼育方法を紹介

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ぼんやりとした姿が愛くるしい~ミドリガメ(ミシシッピアカミミガメ)の生態・飼育方法を紹介

日本では「ミドリガメ」の愛称で親しまれている「ミシシッピアカミミガメ」は、その名の通り北アメリカ大陸の南部原産で顔の横に赤いラインが入っているのが特徴です。子供の頃はキレイな緑色の甲羅をしていて、つぶらな瞳はどことなくアンニュイな表情。天気の良い日にはぼんやりと甲羅干しをしている姿も愛らしく、亀好きならいつまで見ていても飽きません。よくお祭りの露店で売っている、あの小さなミドリガメです。

 

 

<ミシシッピアカミミガメの生態>

前述の通り原産は北米南部ですが、生命力が強くある程度の悪環境でも生き続けることができるため、現在日本以外にも東南アジアやヨーロッパ、南アフリカ等様々な地域に外来種として生息しています。池や流れの緩やかな川に生息し、藻などの植物から水生昆虫などの動物まで何でも食べる雑食。子供の頃は鮮やかな緑色の甲羅をしていますが、大人になるにつれ段々と黒くなっていき、長生きするものなら30年ほど、しかも30cmほどの大きさにまで成長します。しかも産卵数は日本原産のニホンイシガメの倍近くと生殖力まで高いことから、初めて日本に輸入された1950年代から爆発的に繁殖し現在に至るまで増える一方と言われています。このことから、日本の生態系に被害を与える危険性のある動物のリスト「緊急対策外来種」の1つに指定されています。このためアカミミガメを飼いきれなくなって野外に逃がすと違法、個人なら懲役3年以下もしくは300万円以下の罰金となってしまうため、飼う前によく検討するようにしてください。

 

<ミシシッピアカミミガメは飼っちゃダメなの?>

ミシシッピアカミミガメは現在「緊急対策外来種」の更に上のランクである「特定外来生物」に指定することが検討されており、指定されてしまうと許可なしに販売も飼育もできなくなります。とは言え今のところ「緊急対策外来種」止まりですから飼育自体に問題ありませんし、そもそももうすでに縁日で買ってしまった、河川敷で見つけて持って帰ってきてしまった……という人もいることでしょう。ミシシッピアカミミガメの赤ちゃんはとても可愛らしいですし、慣れてくると飼い主の手からエサを食べてくれたりして、飼う「醍醐味」も味わえます。最期まで責任を持って飼う!ということだけしっかり覚えておいてください。

 

<ミシシッピアカミミガメの飼い方>

ミシシッピアカミミガメの飼い方は比較的簡単、水槽1つあれば飼育することができます。ただしミシシッピアカミミガメは水陸両生なので、水槽の中に泳ぎ回れる水の部分と外の空気が吸える陸の部分との両方を作ってあげてください「甲羅干し」と呼ばれる通り、時折陸に上がって日光浴をすることで甲羅に太陽光を当て、病原菌を殺菌したり骨や甲羅を生成し硬い状態に保ったりする必要があります。ある程度気温の高い時期ならベランダなど外に出しておいてあげると良いでしょう。逆に変温動物の亀は冬が苦手。寒い日は室内に入れてあげた方が良いですが、夏と同じく日光浴は必要なので、日当たりの良い位置においてあげることをお勧めします。ちなみに亀は目を離したすきに水槽から脱走してしまうことも多いため、亀が背伸びしても届かない程度の深さのある水槽を選んでくださいね。

また水槽の水は定期的に変えてあげましょう。ミシシッピアカミミガメは基本的に食べるのもオシッコやフンをするのも眠るのも水中ですから、放っておくとすぐに水が汚れてしまいます。亀にとっては飲み水でもありますし、汚い水の中で生活し続けると病気になったり弱ったりしてしまいます。理想は毎日変えることですが、それが大変でも最低3日おきには水を変えるようにしてください。水を変える時はいったん亀を別の容器に移して(この時も脱走に注意)、水槽内の陸地を除いてから水を全て捨てましょう。食べかすやフンで汚れているので水槽も陸地部分もキレイに掃除し、カルキを抜いた水を入れなおして終了です。

 

ミシシッピアカミミガメは食欲旺盛ですが、沢山あげすぎるとあっという間に大きくなってしまいます。2日に1回程度、市販の亀の餌を5分以内で食べきれる量だけで十分です。基本的にはお肉が大好きなので、シラスや煮干しなどをあげると喜んで食べますが、好物に慣れてしまうと亀の餌をあまり食べなくなってしまうので、ごくたまにあげるくらいにしましょう。また人間用の食べ物は塩分が強いので、シラスや煮干しをあげる時には塩抜きしてからあげてください。

 

<ミシシッピアカミミガメを飼う際の注意点>

前述の通りミシシッピアカミミガメは繁殖力が強く雄と雌を一緒に飼っていると一気に増えてしまう危険性がありますが、4~5歳までは生殖力がないので同じ水槽に入れておいても大丈夫です。雌雄の見分け方として最も分かりやすいのは尻尾のサイズと校門の位置で、雄は尻尾が長くて太く、肛門の位置が甲羅から少し離れているのに対し、雌は尻尾が細くて短く、校門の位置が甲羅のすぐ近くにあります。また亀はサルモネラ菌を保菌しているため、人が感染すると下痢や嘔吐、発熱などの中毒症状を引き起こしてしまいます。亀を触った後はしっかり石鹸で手洗いするようにしてください。

 

 

愛くるしい姿のミシシッピアカミミガメ(通称ミドリガメ)
お祭りで買ったら、どんどん大きくなっていった!という経験のある方も多いのではないでしょうか。

 

 

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