ペルシャとシャムの特徴を備えるネコ~ヒマラヤンの歴史・価格・飼育方法を紹介
白く美しい毛並みにポイントがアクセントのヒマラヤンは、穏やかな性格で比較的飼いやすいネコです。これから家族に迎えたいと思っている方も多いことでしょう。そこで、ここではヒマラヤンの歴史、その特徴と性格、飼い方やしつけ方での注意点などを詳しくお伝えしていきます。
ヒマラヤンの歴史
「ヒマラヤン」という名前は、ヒマラヤ地方が原産のヒマラヤウサギにちなんで付けられました。ヒマラヤウサギは、雪のように白い毛並みと、鼻や耳、足や尻尾の先に黒いポイントがあるのが特徴です。ヒマラヤンの姿とよく似ていることがわかります。
ヒマラヤンはアメリカとイギリスが原産国とされていますが、もともとはスウェーデンの研究者がペルシャとシャムをかけ合わせて理想のネコを作り出そうとしたのが始まりとされています。長毛とポイントという両方の種類の魅力を備えたネコを作り出そうとしたようですが、当初、この交配は思ったほどうまくいきませんでした。その後、その話を聞いたアメリカとイギリスの愛好家たちが1930年代にそれぞれ育種を始めましたと伝えられています。
アメリカでは雑種の長毛ペルシャとシャムを交配し、「デビュタント」と呼ばれた今のヒマラヤンに近いネコを作りあげます。イギリスではわりと早くからペルシャとシャムの雑種ネコが存在しており、それらは「クメール」と呼ばれていました。これらのネコから現在のヒマラヤンに至ります。
ヒマラヤンは、1957年にTICAとCFAに公認されます。ただし、独立の品種ではなく、ペルシャの亜種という分類の仕方でした。CFAの方では、同じ特徴を持つ個体が最低3世代は確認できることを独立した品種と認める条件としているため、いまだに「ヒマラヤンペルシャ」としてペルシャのバラエティに分類されています。しかし、分類はどうあれ、ヒマラヤンは多くのキャットショーで数々の賞を受賞し、今では数十万頭が登録される人気の品種です。また、今でも「未完の傑作」として改良が進められています。
ヒマラヤンの特徴
ペルシャとシャムの交雑がヒマラヤンですが、容姿はペルシャの方によく似ています。短くて太い足を持ち、体も短めで、中型のコビー(ずんぐりむっくり)タイプです。なかなかの筋肉質でガッシリしています。顔立ちは、ペルシャに近い鼻が低いタイプと、鼻筋の通ったトラディショナルのタイプがいます。日本では後者が主流ですが、海外では鼻ぺちゃのヒマラヤンの方が人気です。毛色はポインテッドで瞳の色はブルー、体重は3~6kgが標準的とされています。
性格もペルシャを受け継ぎ、穏やかで温厚です。警戒心が低くて人にもよくなつきます。なかには甘えん坊なネコもいて、自ら膝に乗ってくることもあるでしょう。ただし、自立心も持ち合わせているので、それほどしつこく甘えてくることはありません。いつもさりげなく人のそばにいて体を預けてくるという感じです。
また、知らない人にも愛想が良く、小さい子どもや犬などの他の動物とも良好な関係を築きやすいネコです。初めてネコを飼う人にも飼いやすいでしょう。なお、若いうちは活発ですが、大人になると静かに過ごすことが多くなります。ただ、機嫌が良い時は子どものように活発に遊ぶこともあるので、その時はちゃんと相手をしてあげましょう。
ヒマラヤンはどこで買える?価格相場は?
ヒマラヤンはペットショップで販売されています。価格の相場は20万円前後です。全国のブリーダーからも譲ってもらえますが、ブリーダーの場合は価格が25万円前後になるでしょう。月齢や毛色など特徴によって価格は変動し、ポイントが濃くてはっきりしているネコほど高価になります。
ヒマラヤンの飼い方・しつけ方
知能の高いヒマラヤンは教えたことをすぐに覚えてくれます。初めての人でもしつけはそれほど難しくないでしょう。飼い主と遊ぶのは好きですが、激しく走り回るようなタイプではないので集合住宅でも飼いやすいです。ただし、太りやすいので、運動量を確保し餌を調節するなどして体重管理には注意してください。
ヒマラヤンを飼ううえで気をつけたいのは、被毛の手入れです。特に、長毛種の場合、毎日ブラッシングしてあげる必要があります。シャンプーもできれば月に1回ぐらいのペースで行いたいところですが、少なくとも半年に1回は必ずシャンプーしてあげましょう。
なお、ヒマラヤンのブラッシングのコツですが、ネコをリラックスさせてから、毛の流れに沿ってピンブラシやスリッカーで掻き分け、クシで整えます。胸やお腹、顎の辺りは毛玉ができやすいので、入念にブラッシングしてあげましょう。自分でグルーミングできない脇の下や敏感な尻尾も忘れずにブラッシングしてあげてください。