大型犬の人気トップレベル~ラブラドールレトリバーの歴史・価格・飼育方法を紹介
人間にとても友好的で性格も優しいため、大型犬の中ではペットとしての人気が非常に高いのがラブラドールレトリバーです。世界的に見ても飼育頭数が非常に多い犬種です。そんなラブラドールレトリバーについて、その歴史、特徴や性格、飼い方やしつけ方についてご紹介しましょう。
ラブラドールレトリバーの歴史
ラブラドールレトリバーはイギリスが原産ですが、祖先はカナダ出身です。カナダには「ラブラドール半島」という地名があるので、そこの出身のように思ってしまいそうですが、実はそこではなく、ニューファンドランド半島が起源とされています。
16世紀にニューファンドランドに入職した人たちが連れていた犬が祖先です。なお、その犬の種類はセントジョンズレトリバーでしたが、それとマスティフが交配してニューファンドランドという犬種が生まれます。この犬種もラブラドールレトリバーの祖先とされており、ラブラドールレトリバーと同じく泳ぎが非常に得意な犬で、現在も水猟犬や水難救助犬として活躍しています。
イギリスには1820年頃に持ち込まれました。イギリスの貴族が、漁師たちと一緒に働くセントジョンズレトリバーを見て、鴨猟などに利用できると考えて持ち帰ったようです。イギリスに連れてこられたセントジョンズレトリバーは、貴族によって繁殖と交配が繰り返され、19世紀の終わりごろに現在と近い姿になりました。ラブラドールレトリバーという名前は、1870年ごろからイギリスで呼ばれ始めた通称でしたが、1903年にイギリスケネルクラブに登録されるとともに正式な名称となっています。
穏やかな性格でとても聡明なので、ラブラドールレトリバーはイギリスを中心にたちまちペットとしての人気が高まりました。アメリカでもすぐに人気が出て、長年ペット犬の登録頭数のトップ3に入っています。また、イギリスで盲導犬として利用されるようになったのを始めとして、今では介助犬、災害救助犬、麻薬探知犬などさまざまな場面でその能力を発揮して人間を助けてくれています。
ラブラドールレトリバーの特徴
先祖のセントジョンズレトリバーやニューファンドランドが大型犬なので、欧米ではそれより小型のラブラドールレトリバーは中型犬に分類されることが多いです。しかし、日本では大型犬に分類すべきでしょう。オスの体高は56~57cm、メスは54~56cmで、体重は25~30kgぐらいあります。体長は60cm近くで、体は全体が短い毛に覆われており、筋肉質で骨太のがっしりした体つきです。
ラブラドールレトリバーは、とても穏やかな性格で、聡明で順応性もあるため、人にはよくなついてくれます。家族に対しては愛情を示してくれる一方で、知らない人や犬などの動物にもあまり攻撃性を見せることはありません。社交的でとても優しい犬なので、番犬にはちょっと向かないのが玉にキズですが、こうした性格から比較的飼いやすい犬種と言えるでしょう。
ラブラドールレトリバーはどこで買える?価格相場は?
血統や体の大きさ、月齢、毛色などによってラブラドールレトリバーの価格は変わりますが、ペットショップでは22万円前後が相場です。ただし、10~15万円ぐらいで買えることもあれば、30万円以上することもあります。純潔種だと100万円ほどの高額で取引されることもあるようです。
ラブラドールレトリバーの飼い方・しつけ方
体が大きくて行動も活発ですので、ラブラドールレトリバーはたくさん運動させる必要があります。毎日の散歩は欠かせません。できれば朝と夕の2回、1時間ずつぐらい散歩させてあげると犬にとって理想的でしょう。
ラブラドールレトリバーは力が強いため、しつけができていないと引っ張り回されて散歩もままなりません。好奇心も旺盛なので、家の中で飼っている場合は手の届く範囲のものを壊してしまうこともあります。子犬のうちにしっかりしつけをすることが大切です。ちゃんとしつけるとイタズラはなくなりますし、散歩の時には飼い主の歩幅に合わせて歩いてくれるため、苦労することもなくなります。
また、ラブラドールレトリバーは、体の大きさ相応に食欲も旺盛です。食べることがとても好きな犬なので、求められるままに与えていると太り過ぎてしまいます。餌の分量を決めて、しっかり体重管理を行いましょう。体毛は短いですが、ダブルコートになっているので抜け毛はあります。何日かに1回かはブラッシングをしてあげましょう。また、体毛は短くても暑さには弱いため、夏場には注意が必要です。大型犬ではありますが、暑さに弱いのと寂しがり屋な面もあるので、できれば室内飼いが望ましいでしょう。