世界一大きい猫~メインクーンの歴史・価格・飼育方法を紹介
世界最大のネコとしてギネスブックにも記録されているメインクーンは、体中がふさふさの毛で覆われた非常に野性味を感じさせるネコです。コロコロとした愛らしいネコとは一味違った魅力があります。そんなメインクーンの歴史、特徴や性格、飼い方などについて詳しくご紹介しましょう。
メインクーンの歴史
メインクーンは、古くからアメリカに生息しているネコの種類ですが、その起源は正確なところは不明です。移民と一緒に船に乗ってきてやってきたと言う説もあれば、アライグマとのあいの子だという説もあります。アライグマとネコとの交配は不可能ですので実際にはあり得ないことですが、それだけアライグマと似ている姿だということで、原産地のメイン州(Maine)とアライグマ(raccoon)を合わせて、「メインクーン(Maine Coon)」と呼ばれるようになりました。
メインクーンの祖先をたどると、17世紀にはすでにアメリカでワーキングキャットとして人間に飼われていた記録があります。ネズミ捕りのためによく飼われていたようです。また、アメリカの北東部は寒暖差の激しい地域ですが、そうした風土によってメインクーンの大きなたくましい体つきと高い狩猟能力が養われていったと考えられています。
キャットショーに登場するのも早く、19世紀後半にはベストキャストに選ばれるほど高い人気を誇っていました。ところが、ペルシャなどの長毛種が海外から入ってきたこともあり、徐々にそれらのネコに人気を奪われるようになっていきます。一時は絶滅も危ぶまれるほどでしたが、1980年代からはまた徐々に人気が高まり、今に至っている状況です。
メインクーンの特徴
メインクーンの特徴は、なんと言ってもその大きな体です。骨格はガッチリとしており、胸元には長い毛が飾りのように立派に生えています。胴体も非常に長くて、ヤマネコかと思うほど野性的な姿をしているネコです。体重はオスが6~9kg、メスが3~6キロが平均とされています。個体によっては10kg以上にもなることがあります。
体中が長い毛で覆われているところも野性味を感じさせる特徴です。肉球の間や尻尾の先までフサフサした毛が生えているのは、冬の厳しい寒さにも耐えられるように発達していった結果です。
そんな野性的な外見のメインクーンですが、性格は非常に温厚です。愛情が深く茶目っ気もあり、ペットとして最適でしょう。環境への順応性が高く、協調性もあるため、家族だけでなく来客にも機嫌良く接しますし、犬など他の動物とも一緒に暮らせます。また、ネコのなかではとりわけ知性が高いことも大きな特徴で、ボールを投げて取って来させたりなど犬のしつけのようなこともできるぐらいです。体に似合わず鳴き声は子ネコのようで、そんなギャップが魅力となっています。
メインクーンはどこで買える?価格相場は?
メインクーンはペットショップで販売されています。価格は血統、月齢、毛色などによって変わりますが、21万円ぐらいが相場です。10万円以内で販売されていることもあれば50万円以上になることもあるので、この金額はあくまで目安としてお考えください。
メインクーンの飼い方・しつけ方
非常に大きな体のメインクーンですので、バランス良い食事と十分な運動量が不可欠です。特に1歳ごろまでは体を作る大切な時期ですので、高カロリー高タンパクの食事を与えてあげましょう。
ネコのことを考えると外に自由に行き来できる環境が理想的ですが、事故や病気のリスクもあるため室内飼いは仕方ありません。ただし、これだけ体が大きいネコですから、四畳半や六畳のワンルームでは狭すぎます。なるべく広い部屋を自由に行動できるような環境で飼ってあげてください。
また、ネズミ捕り用に使われていたぐらいですので、メインクーンはハンターの気質があります。物や光を追いかけるようなおもちゃで遊んであげてください。また、上下運動も活発なので、キャットタワーを用意してあげるとよいでしょう。ただし、体が大きいですので、事故防止のためにキャットタワーはしっかり固定して、足場となりそうな棚の上などの荷物は整理しておいてください。
メインクーンは知能が高く綺麗好きなので、ちゃんとしつければトイレはすぐに覚えてくれます。その点は心配ないですが、体が大きいため普通サイズのネコ用のトイレでは収まり切らないこともあるでしょう。店舗ではなかなか大型のトイレは売っていませんが、通販などで探してみてください。
アメリカ北東部の厳しい気候でずっと暮らしてきたネコですから、メインクーンは寒さには強いです。ただ、寒さから身を守るために体毛には皮脂がけっこう含まれており、お手入れしないとすぐに汚れてしまいます。2~3日に一度はブラッシングをしてあげましょう。